瑞泉寺と"わびさび"のはなし
一応前回からの続き。ブログ書いてると考えが広がりすぎて、まとめるのが難しい‥
引き算の美学、日本庭園においても枯山水、石庭はその美学を追及した、まさに日本らしい庭園だ。
鎌倉、瑞泉寺。
地図で見て頂くと分かるのだが、お寺への参道は
山々に囲まれた谷へと入っていくことになる。
背にする錦屏山(きんびょうざん)は山々の紅葉が
金の屏風のように美しいことから付いた名前とも言われている。
先の台風被害にて現在は通行止めだが、
瑞泉寺周辺の山々はハイキングコースとして整備されている。
山へと近づく一本道は、境内に入る前から厳かな空気を仄かに感じさせる。
受付を済ませ、少し進むと苔むす石段。
隣に手すりの付いた広く歩きやすい階段もあるのでご安心を。
静寂に響く水の音。
こちらが瑞泉寺。建立は1327年。
目指す庭園は本堂の裏側にある。
岩盤を掘り、座禅する窟と池を作ったこの石庭は鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園。
橋を渡り石段を登ると、鎌倉の山々を眼下に、遠く相模湾を望むのだそう。
梅や紫陽花、水仙、桔梗に紅葉と自然に恵まれた園内も
この日はしんと冷えていて。
この日はアオサギ(?)が一羽佇んでいて、
浄土に迷い込んでしまったかのよう。
この美しさ、神々しさを何と形容すればよいのか、
表現できないこのもどかしさ。
華美さとは対極にある、いわゆるわびさびの世界は庭園だけでは簡潔しない、
周囲の環境やその地の空気、そうした調和や違和感を含めて作られるものだと感じる。
カメラを買うまいと、そう思っていたのは写真の奥に広がる世界を
私には表現できないと痛感するから。
それでも、カメラを買ってよかった。いや、なぜもっと早く買わなかったのだろう。
そう痛感した出来事は、また次回のはなし。
後記
瑞泉寺庭園、発掘されたのは50年ほど前だそう。
訪問先はあまり下調べしないのだけど、以前訪れた一条恵観山荘や近衛師団司令部庁舎しかり、
歴史に取り残されそうになったものにひかれているのかしら。