写真と旅のはなし
東京、調布の神代植物公園。
紅葉を求め、初めて訪れる。
去年の紅葉はずいぶん遅かった。
公園は植物が豊かすぎて、紅葉はまばらだったりするのだけど。
散歩に持ってこいの、穏やかな空間。
この日はイベントで紅葉の足元に色とりどりの花が咲いていた。
これは映えるわ。
紅葉も素晴らしかったのだけど、バラ園の季節。
来てみてびっくり。ここまで広大で色とりどりなバラ園があったなんて。
紅葉の写真もそこそこに、バラにすっかり夢中。
秋バラだけで5,000本余り。これだけ咲き乱れると、いつ来てもそのときの美しいバラを見ることができて嬉しい。
天気が優れないけど、あえて露出抑え目。
こういう水滴の写真、撮ってみたかったんだ。
この日もカメラの練習を兼ねての散歩。
でも、結局撮った絵をその場で確認することはなく、
カメラを買っても写真は二の次、行動はあまり変わらないように思っていた。
カメラを買って一月ほど。
家に帰ってこの写真を見たとき、どうしてもっと早くカメラを買わなかったのか、
驚きとともに後悔しました。
あまりに色鮮やかすぎて、その場ではただ圧倒されながら撮ったもの。
改めて写真として見たとき、引き込まれたのはその姿形の美しさ。
自然の幾何学的美しさは知識として持っていたはずだけど、
全く理解していなかったし、その場でも感じなかったのか、と気づく。
ある方いわく、カメラを持つと実際に目で見る景色とファインダー越しで見る景色と
2つの世界があるんだという。
フィルムカメラになると、現像とのギャップもあって、きっと困らせられながらも偶然の出会いも楽しんでいたんだよね。
カメラを持って、生身で気づけなかった美しさに出会えるようになった。
カメラは持つまいと思っていた。
カメラは視野を狭くすると思っていた。
でも、カメラは私に世界の広さを教えてくれた。
カメラに早く慣れて、自らの目でも美しさを見つけられるようにならないと。
次はどこへ行こうかな。
追伸
これからの季節は梅園の見頃。桜、ツツジ、5月からの春バラに温室まであるので、年中楽しめますよ。
こちらは相棒、カメラの話。